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Posted by つくばちゃんねるブログ at

Date: 2010年01月31日

【2011バス再編 変わる交通体系】(4完) 誰がバスを使いますか?

<この文章は、「つくば市民レポーター」サイトに過去に投稿した内容です。現在と事情が食い違っている可能性がありますが、その点はご容赦ください。>

『つくば市地域公共交通総合連携計画』の素案に基づき進められるつくバスの再編。今後の鍵となるのは、何といっても利用者の増加だ。『つくば市地域公共交通総合連携計画』の素案でも利用者の増加に向けた施策が盛り込まれている。

例 えば、企業や団体が独自に走らせている送迎バスの共同化。送迎バスを路線バスに集約し、大口一括定期券を導入する案が検討されている。つくば駅の朝の光景 を見ていると、つくばエクスプレスでつくばまで乗り、バスに乗り換えている人がかなりいる。この施策が機能すれば、研究所が集中している「北部線」(現北 部シャトル)と「学園南循環」の利用者増を見込める。

ただ、これだけでは効果は平日に限られる。休日は車しか利用していない人たちに、いかにバスに転換させるか。ポイントは商業施設との連携だ。『つくば市地域公共交通総合連携計画』の素案でも盛り込まれている。再編されるコミュニティバス7路線の沿線には、「つくばクレオスクエア」「イーアスつくば」「LALAガーデンつくば」「つくばYOUワールド」といった大型施設を通る。「グランステージ」もバス停の設置場所によっては徒歩圏になりうる。こういった商業施設との連携をいかに作っていくかが鍵となる。

前例が隣町にある。昨年開業した「イオン土浦ショッピングセンター」では、JRバス関東と連携し、土浦駅(※1)とつくばセンターから直行バスを運行してい る。つくばセンターからは通常運賃350円だが、スイカ・パスモで支払うと250円になる。しかも、独自のポイント「グリーンスコア」を導入し、スイカ・ パスモで来場して店舗内の機械にタッチするとポイントがたまり、一定のポイントになると景品に交換できる。

前回、コミュニティバスにパスモの導入を提案したが、商業施設との連携でも役立つと思い提起した。例えば「バス利用者に帰りの運賃分をプレゼント」といった ことをやる場合、いつどのバス停に乗り、どのバス停で降りたのか、スイカ・パスモはきちんとICカード内に記録されている。店舗の端末で確認できれば、不 正な支給をせずに済む。また、商業施設のICカード対応ができれば、特に東京から来る観光客にもメリットとなる。現在つくば市内の商業施設で本格的に電子 マネー対応をしているのはイーアスつくばのみであり、他の商業施設や市内の商店街でも対応されれば、バスとの親和性も高まる。イオン土浦ショッピングセン ターの事例はあるものの、つくば市がパスモ導入の支援をしたり、バス利用者へのインセンティブ付与をした商業施設に対し税制面の優遇をしたり、市全体の周知が徹底されれば、「お買い物はパスモ&バス」という光景が広がるかもしれない。

ただ、現実はそう甘くはないのかもしれない。私は月に2度ほど直行バスでイオン土浦ショッピングセンターに行くが、直行バスが満員になった光景を見たことがない。時間帯によっては私だけのこともある。 開業当初は30分おきの運転だったのが、わずか数ヶ月で60分おきになった。それでも状況が変わらないように見えるのは、苦境と言うしかない。考えてみれば、これまで公共交通を利用して買い物をしても、とりたててメリットはなかった。車で買い物をして、一定金額以上支払えば駐車料金が無料になるのと比べると不公平感がある。商業施設の集客策と、バス利用の誘導策を融合させ、利用者にとってもメリットを見いだせるインセンティブとは何か、知恵を絞る時に来ている。

2011年に予定されているつくバスの再編。市の財政負担額を減らすという観点だけでなく、いかに「頼りにされる存在」になるか。その答えは、利用者一人ひとりの意識にかかっていると言える。せっかくのバスも、使われなければ意味がない。使われるバスとはどんなサービスが必要なのか、どういった改善策が施されれば利用されるのか。市や事業者だけでなく、利用者も積極的に発言する時期に来ている。

[完]


※1 一部江戸崎まで延伸
Posted by ゆきつく at 10:38Comments(0)1st Editionからの移行